乃木坂46「シンクロニシティ」の意味。感想と解説&歌詞を分析・考察してみた。

乃木坂46の20thシングル「シンクロニシティ」。
(2018年4月25日リリース)

2017年の春曲「インフルエンサー」ぶりのカタカナのタイトルですね。


(ジャケット 可愛くておしゃれ)
楽曲も解禁されました!

ところで、シンクロニシティって聞きなれない言葉ですよね。

インフルエンサーというタイトルは世相を反映してドンピシャ、そして日本レコード大賞を受賞するほどヒットしたこともあって、これは、もう狙ってるに違いありません。(二匹目のドジョウ

ということで本記事では

乃木坂46の20th表題曲「シンクロニシティ」の意味を解説します。

なぜ今このシンクロニシティという言葉をタイトルにしたのか?

歌詞の分析、考察をしてみたいと思います。

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「シンクロニシティ」とは?

まず最初にシンクロニシティという言葉の意味を解説します。

シンクロニシティを検索すると

・意味のある偶然の一致
・共時性、同時性、同時発生

と出てきます。

まあ、「偶然の一致」というのが一番分かりやすいですよね。

離れた場所でたまたま同じことが起こったり、友達に電話しようと思ってスマホを取り出したら たまたまその友達から電話がかかってきたり。

説明はつかないけど、これには意味がある!という偶然の一致ってありますよね?

偶然として片づけてしまうにはあまりにも奇跡的で、あまりにも運命的!

シンクロニシティとは、そのような偶然の一致を指して使われます。

(ちなみに、ユングという心理学者によって提唱された言葉です。人間の意識は実は繋がっている・・・みたいな少しスピリチュアルな感じの言葉ですね

また音楽好き(もしくは年齢高めの方)は、イギリスのロックバンド「ポリス(The Police)」の楽曲のシンクロニシティを思い出したのではないでしょうか。

補足
ポリスは1970年代後半から1980年代半ばに活躍したアーティスト。スティング、スチュワート・コープランド、アンディ・サマーズの3人組のバンドです。パンク・ロックにレゲエ・スカの要素を取り入れた今聞いてもかっこいい音楽です(興味があったら聞いてみてください

そのポリスの5作目のアルバムのタイトルが「シンクロニシティ」。そしてそのアルバムの1曲目が同タイトル曲「シンクロニシティ」です。

この世の出来事を繋いでる
あるひとつの根本原理
この世の中の「見えない何か」と
この自分との結びつき

(The Police:「シンクロニシティ」より)

では、なぜ今この言葉を乃木坂46楽曲のタイトルにしたのでしょうか?

乃木坂46が「シンクロニシティ」を歌う意味

ちょっと神秘的で運命的な印象を感じさせるシンクロニシティというタイトル。

ここからは、なぜ今この言葉を乃木坂46楽曲のタイトルにしたのか?

その意味を考察してみたいと思います。

乃木坂46の現状への「あて書き」

同時的に連鎖する卒業。

中元日芽香さん、伊藤万理華さんから始まって、生駒里奈さん、川村真洋さんと今の乃木坂46にはメンバーが同時的に卒業をしていってしまう現状があります。

乃木坂46も結成して6年が経ちますので初期メンバーが卒業していくのは当たり前のことではありますが、95年組がほぼ同時期に卒業してしまうのは、何かを感じずにはいられません。

そのような状況から着想して「シンクロニシティ」というタイトルが考えられたのではないでしょうか。

きっと誰だって 誰だって あるだろう
不意に気付いたら 泣いていること
理由なんて何も思い当たらずに
涙がこぼれる
それは
そばにいる そばにいる 誰かのせい
言葉を交わしていなくても
心が勝手に 共鳴するんだ
愛を分け合って

(乃木坂46:「シンクロニシティ」より)

しかし、この1番のサビの歌詞だけ聞くと卒業ソングらしさはあまりありません。

2018.3.12追記
奇しくも生駒さんがインタビューで「卒業シングルにはしたくない」と語っていましたね。ということは単純に乃木坂46が直面する卒業だけを描いた歌詞ではなさそうです。

(参考記事)
生駒里奈「卒業シングル」でセンター打診断っていた

でもやっぱり2番の歌詞まで聞くと、明らかに生駒さんのことを意識して描かれています。
(この点については後ほど解説します

乃木坂46というグループの不思議な魅力

ちょっと余談になりますが、
乃木坂46の魅力は、メンバーが同じ方向を向いていること、想いを共有していること、共鳴(シンクロ)しているところにある。そのように感じます。


modelpress

そして、それは乃木坂46の大きな魅力の一つになっています。

決して熱い友情とかではなく、むしろ飄々とした仲の良さだけど、お互い確認しなくても同じ想いを抱いてる。

乃木坂のメンバーからは、そんな心地良い繋がりを感じます。(46時間TV見た方なら分かりますよね!

年齢も趣味もバラバラのメンバーですが、偶然出会い、そして同じ方向を歩んでいく。それは ことさら大げさに言葉で表現せずとも、ゆるっと結びついている感じといえばよいでしょうか。

以前、西野七瀬さんがインタビューで「メンバーは友達でもなく家族でもない感じ」というような表現をしていましたが、まさにそんな感じ。

・・・にも関わらず、絆はすごく強い。そんな不思議なグループです。

そしてシンクロニシティというちょっと不思議な語感も、すごく乃木坂に合っているなと思います。

豆知識
ちなみに乃木坂46の表題曲で全てカタカナのタイトルなのは
「ガールズルール」「バレッタ」「インフルエンサー」しかありませんが、そのいずれの曲でも結構大きなトピックが起こっているので、今回は一体どうなるのでしょうか。。。

「シンクロニシティ」の歌詞の意味を分析してみる

現時点ではまだ曲を通して聞いていないので、一部分を聞いただけの感想ですが

曲を通して聞いてみた感想ですが、
乃木坂46らしい、そして秋元康さんらしい歌詞」だなと感じました。

前半の歌詞にはこんな一説があります。

悲しい出来事があると 僕は一人で
夜の街をただひたすら歩くんだ
背中丸めうつむいて
行くあてなんかないのに
雑踏のその中を彷徨う

(乃木坂46:「シンクロニシティ」より)

人はみな孤独を感じることがある。この気持ちを分かってくれる人なんて、誰もいないんじゃないだろうか・・・という描写から始まります。

でも「あなたの気持ちを分かってくれる人は必ずいるよ」ということが歌詞全体のメッセージになっています。

さらに言えば

この曲は卒業ソングではないかもしれないが、生駒さんに捧げられた歌であり応援ソングである

と個人的には思います。

それは2番のサビを聞けば明らかです。

「だから一人では 一人では負けそうな」
これはデビューからセンターを背負ってきた生駒さんのことでしょう。

「いつしか心は一つになる」
そしてお互いに支え合い、色々な出来事を乗り越えた末にかけがえのない存在となったメンバー。

「横断歩道で隣り合わせた他人同士でも偶然」
これは、たまたま同じ乃木坂46というグループに居合わせた偶然性を表現しているのだと思います。

という感じ。秋元康さんは、テレビ披露されることの少ない2番の歌詞で本気を出す傾向(ストレートな想いを込める)があるので間違いない。はず!(ちなみに2番の歌詞本気説については、こちらの「欅坂46「エキセントリック」が名曲である3つの理由」でも解説しています)

この2番の歌詞にある「他人同士がかけがえのない存在になった」ことについては、実際に2017年の全国ツアーで生駒さん自身がこう語っています。

普通、他人じゃないですか。今まいちゅん(新内真衣)隣にいるけど、今はメンバーだけど、他人だったんですよ。だけど今まいちゅんに目の前で何か苦しいこととかあったら、私はすごく、その人のためだったら、身をかけて、自分を犠牲にしてでも、守りたいって思えるのが、乃木坂46のメンバーなんですよ。家族じゃなくて、親友じゃなくて、だけど、こんなに大切な人を、45人も作ってくれた乃木坂46が、本当に大好きだなと、あらためて、思いました。
日刊スポーツ「乃木坂ファン沸いた!生駒里奈の「神スピーチ」全文

この発言からも分かるように、最初は他人同士だったけれど一緒に共有してきた経験や年月によって、いつの間にか何にも代えがたい強い絆が生まれていたということではないでしょうか。

だからこの20thシングルは、これから進学や新社会人になる人への応援ソングであるとともに、メンバー全員から生駒ちゃんへの感謝と応援メッセージに聞こえてきます。

「卒業しても、私たちがいるよ。」

そんな気持ちが込められているように感じます。

生駒ちゃんを送り出す曲。そう考えると、この曲のセンターは生駒ちゃんの後を継いで2代目センターとなった まいやんしか考えられないし、必然だったのかもしれませんね。

シンクロニシティの歌詞展開にみる黄金パターン

さて、ここからは少し趣向を変えて、シンクロニシティの歌詞に見る秋元康さんの歌詞テクニックのパターンについて考察してみます。

先ほど紹介した1番のサビの「・・・心が勝手に 共鳴するんだ・・・」の後には

「ハモれ」という歌詞が続きます。

「心が”勝手に”共鳴する」と言っておいて「ハモれ」と言う。

これって実は逆のことを言ってますよね。

どういうことかと言うと、
「心が勝手に共鳴する」という受動的な偶然性を描いておきながら、「ハモれ」と能動的な行動を要求しています。

で、これって実は秋元さんのいつもの手法であり真骨頂
(主体性のない偶然を許さない。秋元康は意地が悪い。

このパターンは、乃木坂の歌詞にも何度も出てきます。

それは「客観→主観」「流される自分→波を立てる自分」という歌詞の展開です。

ここでは乃木坂46の過去の楽曲から3曲を引用して、「客観」から「主観」への転換手法について解説します。

1)「きっかけ」

たとえば、乃木坂工事中でファンが選ぶベストソングで第2位になった「きっかけ」では

客観的に見てる私が嫌いだ
 ~
決心のきっかけは理屈ではなくて
いつだってこの胸の衝動から始まる

生きるとは選択肢
たった一つを選ぶこと

(乃木坂46:「きっかけ」より)

大人になれば。みんな客観的になってくる。

それが、大人になるということ・・・だけど、でもそれに抗って自分の意思で選択すること。

それが「生きること」だというメッセージが歌われています。

(欅坂46はそれをもっと直截的に歌詞にしてますよね。言葉の強弱はあれど、秋元さんの坂道シリーズにおける基本的なメッセージは実はほぼ一貫しています。特に秋元さんが力を入れた歌詞ではこの手法がよく使われているように思います

2)「やさしさとは」

また同じくベストソングで第18位になった「やさしさとは」では

一部始終を眺めていた
道のこっちで
冷静すぎたことがだめだったんだ
 〜
愛を客観的に語ることなんて
そう 今の僕にはできやしない

(乃木坂46:「やさしさとは」より)

これも少し形は違うが、「冷静な自分」から「感情的な僕」へと転換しています。

(秋元さん自身に、客観的に物事を見てしまう、我を忘れて熱くなれないコンプレックスがあったのかな?と深読みしてしまいますね

さらにこの歌詞の続きには「孤独を選ぼう」とあります。(欅坂46の「ガラスを割れ!」 でも「戦うなら孤独になれ」とほぼ同じ表現が出てきます

3)「逃げ水」

さらに18枚目シングル「逃げ水」でも

客観的過ぎるのだろう
 ~
信じるまっすぐさが生きてく力だよ

(乃木坂46:「逃げ水」より)

(もう客観的で冷静すぎる自分 好きすぎるだろ!

それにしても乃木坂の歌詞はこの「客観→主観」への転換が上品に表現されていますよね。そして文学的です。

(これに対して欅坂46だと「あるある→からの~そんなのクソ喰らえ!」という強い言葉になります。同じこと言ってるのにこの違い・・・自分は乃木坂のより文学的な表現が好きなのですが、逆に言うとパンチがないという弱点でもありますね。

そして、このシンクロニシティでも

偶然性について美しく描いてから、急に「ハモれ!」と一気に主体性ある言葉に持っていく。

この落差が歌詞に深みを与える。これぞまさに秋元康節、だと勝手に思っています。

というように

このようにシンクロニシティの歌詞には、秋元康さんの得意のテクニックが使われています。
そして乃木坂46らしい名曲の一つになることが期待できるのではないでしょうか。

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「シンクロニシティ」の選抜メンバー

3/11の乃木坂工事中(テレビ東京)で、20thシングル「シンクロニシティ」の選抜メンバーが発表されました。

フォーメーションは、7-7-7の21名(14福神)

1列目
与田祐希 / 齋藤飛鳥 / 西野七瀬 / 白石麻衣(センター) / 生田絵梨花 / 堀未央奈 / 山下美月

2列目
秋元真夏 / 衛藤美彩 / 大園桃子 / 生駒里奈 / 久保史緒里 / 松村沙友理 / 桜井玲香

3列目
寺田蘭世 / 樋口日奈 / 若月佑美 / 星野みなみ / 高山一実 / 新内眞衣 / 井上小百合

センターは卒業する生駒さんではなく、THE乃木坂・白石麻衣さん。

(リアルタイムで見てましたが、みなさん同様に途中まで完全に生生星くるかと思ってましたよ^^

ちなみに、生駒ちゃん自身が卒業シングルにはしたくないとセンターを固辞したとのことです(「生駒里奈「卒業シングル」でセンター打診断っていた」)

しかし、番組でもバナナマンの二人が言っていたように、今回の生駒さんのポジションは乃木坂の中心!(セントラル!!

最後のシングルを飾るにふさわしいポジションといえるのではないでしょうか。(生駒ちゃんの裏センター抜群にかっこいいですもんね

(生駒ちゃんのジャケットはTYPE-Cです)

まとめ

乃木坂46の20thシングル「シンクロニシティ」の楽曲の意味と感想をまとめると

・同時発生する卒業という現状から着想されたタイトル(?)
・乃木坂らしい ”つながり”の強さを表現
・意識的、主体的になれという秋元康節

という感じ!

でも、これからまた何度も曲を聞いて、MVや選抜メンバーが実際にパフォーマンスする姿を見たら印象は変わるかもしれませんけどね。

みなさんは「シンクロニシティ」を聞いて、どう思いましたか?

以上、おるかでした!

21stシングルの歌詞・楽曲分析は「乃木坂46「ジコチューで行こう!」感想と評価|歌詞・楽曲解説と考察」をご覧くださいね。

乃木坂46「ジコチューで行こう!」感想と評価|歌詞・楽曲解説と考察

2018.07.17

追記:シンクロニシティMVについて

シンクロニシティのMVが公式YouTubeで公開されました!
そして先日CDTV25周年スペシャルでもパフォーマンスが初披露!

すごく良かったですね!
初オンエア時もすごくいいなと思ったのですが、MV公開→歌番組披露と順を追うごとに評価が上がっているように思います。

またMVは、これまでの乃木坂の歴史が色々オマージュされているように感じました。

例えば、白い衣装で踊っている倉庫のような場所は、制服のマネキンMVの体育館を連想させます。(撮影監督も制服のマネキンと同じ池田一真さんが担当。撮影場所は長野県にある北沢建築 本社工場棟

そしてスカートをひらりとさせる振り付けは、1stシングルのぐるぐるカーテンを思い起こさせます。

しかし ただ懐かしいだけではありません。あの頃からは考えられないほど成長した乃木坂46の姿とパフォーマンスがシンプルな映像で美しく表現されています。

華美なライティングもなく自然光で踊るシンプルの極みとも言えるこのMVは、アイドルの頂点に登りつめた乃木坂46の集大成であり、同時に一段階上のステージに上がった新たな乃木坂46の未来を感じずにはいられません。

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