なぜあなたは取締役になれないか?
「そんなこと言われても・・・」と思っちゃいますが、今日は真剣に取締役になる方法について考えてみたいと思います。
参考にする本は「取締役になれる人 部課長で終わる人/上之郷 利昭 (著)」。
2003年出版ですが1989年刊の新版ということもあり、「取締役になる」ということがサラリーマン人生の最終地点だった時代でしょうか・・・
今でこそ、サラリーマンの成功を取締役になること!と考えている人は多くはないでしょう。
スペシャリストとして生きる道もありますし、企業によっては営業を極めれば社長以上の報酬をもらえる制度もあります。起業を志すか、アーリーリタイヤを目指す人もいるでしょう。
こんな時代だからこそ、出世街道の最終地点「取締役」について考えてみたいのです(・・・天邪鬼)。
どんな人が取締役まで昇進でき、どんな人が課長や部長で止まってしまうのか。その「差」はどこから出てくるのか。その条件を具体的に伝授、指南する。
取締役とは何か?
取締役とは、会社で業務の執行に関する意思決定を行う取締役会のメンバーのことです。会社の持ち主である株主が集まる株主総会で選任されると取締役になれます。
ちなみに取締役になると、会社からもらうお金は、給与ではなく役員報酬になります。
と、法律上は色々あるのですが、つまるところは以下の3つが取締役になることで得られるメリットです。
取締役 VS 一般社員・部課長の違い
- 経営者になるということ。その魅力は「大きな仕事が出来る力」が手に入ること
- 取締役になって、やっと力が存分に発揮できる
- 人を使うこと、人を使って成果を出すことが仕事である
では、部課長止まりで「取締役になれない人」と「取締役になれる人」の違いは何かみていきましょう。
取締役と部課長の分かれ道
同期が100人いるとしたら、その中で取締役になれるのは100人中1人くらいだと言われています。
運がなくて取締役になれない人はいますが、能力がなく取締役になれる人はほとんどいません。
とはいえ現在すでに係長・課長や部長などの管理職についている人は、会社から一定の実力の持ち主と評価されているはずです。
そこから一歩抜け出せる人、抜け出せない人には以下のような差があります。
取締役になれる人の特徴
- 取締役になれるか否かの試金石は30代にあり!
- 人の3倍働いているか?
- 実績という肩書きを持っているか?
- 「新しい仕事」を生み出しているか?創造を仕事とせよ!
ちょっと大変そうな感じがしますかね?
この後もっと具体的に掘り下げていきますのでもう少しご覧ください。
取締役になれない人の特徴
- 失敗を恐れ逃げる人
- 責任を回避する人
- 人使いが下手な人
- 部下を叱れない人
そんなことか、とバカにすることなかれ。
意外とこんな当たり前のようなことを実践できていない人は多いのではないでしょうか。
抜擢されるために必要な10の資質
どんな人が取締役まで昇進でき、どんな人が課長や部長で止まってしまうのか。その「差」はどこにあるのでしょうか?
以下、取締役になるための条件、資質を具体的に紹介します。
※ここで取り上げる取締役になる方法、資質は、一定規模以上の株式会社を想定しています
1)ビジョンを持っていること~3年以上の長期的戦略、大きな方向性を打ち出せること
目の前の問題解決力があるのは当たり前。未来に起きるであろう課題を発見し、そのためのアクションを起こすことができるかがポイントです。
2)決断して実行する力があること
Aという選択肢とBという選択肢があったら、どちらかを選び決断すること。
会社のヒトモノカネは有限ですから、どちらかを捨てるという決断を要求されます。そしてやると決めた選択肢を実行するために、周りを説得し巻き込む力が必要とされます。
3)伝達能力=透明性があること~部下を動かす力があること
人を巻き込み、部下を説得するには、伝える力が必要です。そして透明性があることで説得力を増します。
また人を惹きつけるにはカリスマ性があると有利ですが、実はカリスマ性は後天的に身につけられます。【カリスマ性を身につける】人を動かす12の方法に詳しく解説していますので興味のある方はどうぞ。
4)上司からの信頼と部下からの信頼が両方あること
いうまでもないですね。部下から信頼があっても上司の信頼なくして抜擢されることはありません。
逆にいくら上司から信頼があっても部下の信頼がなければ取締役の仕事を全うすることはできないと評価され、抜擢されることはありません。
5)ネアカであること~声が大きく性格が明るい
根暗でも実力のある人はいます。でも声の小さい暗い人についていきたいと思いますか?
もし取締役を目指したいのであれば、意識して声・姿勢・考え方を変える必要があります。
6)現状維持しないこと~常に新しい問題を探し出し、作り出す危機感のある人
一般社員や課長クラスであれば現状維持でも十分です。決められた業務を滞りなく回すことも立派な能力です。
でも取締役になりたいのであれば、環境の変化に対応し問題提起する力が求められます。
7)愛社精神と忠誠心があること
取締役は株主が選任しますが、実質的に社長など現在の取締役が行います。いくら能力が高くても会社に尽くす気持ちがなければ、候補に選ばれることはないでしょう。
運と実力以外にも、社内政治に勝ち抜くことも必要条件であることも事実です。
8)自分の信念・哲学を持っていること
物事を疑う力と言い換えてもいいかもしれません。
与えられた業務をこなすだけでなく、その業務が本当に必要か判断するには、会社の考え方だけでなく自分なりの信念や物の見方を養うことが大切です。
9)逆境や困難なときこそ逆転のチャンスと考えられること~そこで成果を出せること
会社には良い時も悪い時もあります。会社が生き残るにはそういう波を乗り越える力、舵取り役が必要です。
取締役候補には、その役割を担えるかどうかが見られているのです。
10)常に勉強すること~1日最低2時間以上勉強に費やすことが出来ること
お~モウレツです!古い。でもこれって、目標地点が取締役じゃなくても、結構当たり前なことの気がします。
いつの時代も何かしらの成果を上げる人は共通点があるということでしょう。取締役になるにしろ、執行役員になるにしろ、はたまた会社に縛られず生きるにしろ、より大きな裁量を得るにはビジョンと人一倍の努力が必要ということですよね。
これからAIやロボットに仕事が奪われる世の中がくると言われています。この10の資質は、たとえ会社での出世を目指していなくとも、今後仕事をしていく上できっと役立つのではないかと思います。
まとめ:取締役になるには
取締役になる方法を要約すると
「30代の内に、人の3倍働き、1日2時間以上勉強しながら”実績”という肩書きを作り、”新しい仕事(事業)”を生み出すこと!」
ということです。
この本は、たとえ取締役に興味がなかったとしても、自分に取り入れられる部分を重点的に読むだけでもといいと思います。何かとタメになります。
「出世なんて・・・」と思っているサラリーマンの方にこそ一度読んでみてほしい一冊です。
なぜなら会社で働く以上「どんな人が自分の会社を仕切る人(取締役)になるのか」を知ることは、得はあっても損はないからです。
また出世に対して否定的に考えている人が多くなっている今だからこそ、逆に取締役や執行役員を目指すのは狙い目かも!とも思います。競争する人が少なければそれだけ有利ですからね。
もし取締役になったら、と想像しながら読んでみるのもオススメです。
書いている内容は結構ド正論ですので、タメになることは間違いありません。
以上、おるかでした!
パート2も出ていますので両方あわせて手にとってみてください!
【関連書籍】
●「役員になる人は知っておきたい 出世する課長の仕事」
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